移動平均線とは?

相場の「流れ」を読む最も基本で最強のテクニカル指標


株式投資・FX・仮想通貨――どんなマーケットでも共通して使われるテクニカル指標があります。 それが 移動平均線(Moving Average / MA) です。
トレードを始めたばかりの人から、何十年も市場で戦ってきたプロトレーダーまで、誰もが一度は使う「定番中の定番」。 この記事では、「なぜ移動平均線がこれほど重要なのか」「どう使えば勝率を上げられるのか」を、できるだけ分かりやすく解説していきます。

移動平均線とは何か?

移動平均線とは、一定期間の価格(多くは終値)の平均値を線で結んだものです。
たとえば、5日移動平均線なら、直近5日間の終値の平均を毎日計算してプロットした線。 今日の終値が追加されると、6日前のデータは消え、最新の5日間で再計算される――だから「移動」平均線なんです。



イメージで理解してみよう


たとえば株価が上昇トレンドの時は、短期線が長期線を上抜け、3本の線が右肩上がりに並ぶ「パーフェクトオーダー」と呼ばれる形になります。 逆に下降トレンドでは、長期線が上に、短期線が下に位置して右肩下がりに――。 この線の傾きと位置関係だけで、相場の流れ(トレンド) が一目で分かるのです。



代表的な種類と使い方

移動平均線には主に3種類あります:
種類
英語表記
特徴
向いている用途
単純移動平均線
SMA (Simple Moving Average)
すべての期間を均等に平均
一般的なトレンド確認
指数平滑移動平均線
EMA (Exponential Moving Average)
直近の価格を重視
スキャルピング・短期トレード
加重移動平均線
WMA (Weighted Moving Average)
期間ごとに重み付けを調整可能
カスタマイズした分





基本的な見方3つ

1. トレンドの方向をつかむ

移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンド。 シンプルですが、これが最も重要です。

2. ゴールデンクロス/デッドクロス

短期線が長期線を上抜ける=「ゴールデンクロス」 → 買いシグナル 短期線が長期線を下抜ける=「デッドクロス」 → 売りシグナル






3. サポート・レジスタンスとして使う

上昇中の株価が25日線まで下がって再び反発する――こんな場面、よく見ます。 移動平均線は価格が跳ね返る“支え(サポート)”や“壁(レジスタンス)”にもなります。



実際にやってみよう!

初心者の方におすすめなのは、3本の移動平均線を組み合わせる方法です。
5日移動平均線(短期)
25日移動平均線(中期)
75日移動平均線(長期)
これをチャートに重ねてみると、相場の流れがまるで「地図」のように見えてきます。 右肩上がりの3本がきれいに並んでいれば、まさに順張りのチャンス。 反対に、3本が下向きなら無理に買わない判断ができます。






応用:移動平均線の「角度」に注目する

多くの人が見落としがちなのが、「角度」です。 同じ上昇トレンドでも、線が緩やかなら勢いが弱く、急角度なら強い上昇圧力があると判断できます。
移動平均線は“流れを可視化するツール”。 角度=勢い、傾き=スピード感 として読み解くと、より精度の高い分析ができるようになります。



移動平均線の落とし穴

もちろん、万能ではありません。 移動平均線は「過去のデータの平均」なので、どうしても遅行性(ラグ) があります。 レンジ相場(横ばい)では「だまし」が多くなるため、他の指標(RSI、MACD、出来高など)と併用するのが賢明です。



まとめ:まずはチャートに「線を引いてみよう」

移動平均線は、トレードを始める上で最初にマスターすべきテクニカル指標です。 難しく考えずに、まずはチャートに線を3本引いてみましょう。 それだけで、「あ、相場ってこう動くんだ」という感覚がつかめます。
行動ステップ:
チャートアプリを開く
「移動平均線(MA)」を追加
期間を5・25・75に設定
トレンドの傾きや交差を観察
最初は「ただの線」でも、次第にトレーダーの心理資金の流れが見えるようになります。 これが移動平均線の面白さであり、テクニカル分析の入り口なのです。

最終更新日: 2025/11/03 16:41